安定七段

特東安定段位七段を目指すもの

七段になった

記事内容

・七段昇段と手応え

・数値の見直し

・座学の重要性

・確率への対応

 

 

・七段昇段と手応え

 先日、七段に昇段した。ここまで49本打って18-9-13-9と上振れが来ている。今回の昇段は、それに至るまでの過程がこれまでとは違う。あまりに変わった。それは後述する「数値の見直し」「座学の重要性」「確率への対応」で触れるが、小手先の技術力ではなくてもっと根っこの部分を変えたという感触がある。だから勝てる、というものではないが、ひとつ殻を破ったような気がする。

 

・数値の見直し

 正確には、数値を見直さなくなった。

 今まで、和了率23%放銃率11%を目標に掲げてきた。前回の5月~6月での鳳東では逐一数値を見直し、目標達成に向けて努力してきた。しかし、数値的な目標を達成しているにもかかわらず着順がよくない。これには理由があって「もっと優秀な数字にしなければならない」「この目標と着順分布には相関があまりない」のどちらかだが、この目標で成績が出ないとなると、もう数値に見えない部分での立ち振る舞いが悪いとしか思えない。そう思って、一旦目標を下方修正しつつ、あまり気にすることをやめた。

 そこから、座学を増やすことで価値観を変えることにつながっていく。

 

・座学の重要性

 「ウザク本300」「ウザク本301」「お知らせ本1」「お知らせ本2」を読み込むことにした。特にウザク本は2日に1回は1周するようにした。これとお知らせ本を通じて、手組みの価値観がまるっきり変わった。今まで和了率にこだわっていたが、和了りの質にこだわるようになった。大して意味のない安和了りを減らして、押す局面を増やして、放銃率も悪化した。それでも結果が付いてきた。もちろん運が良かった部分は大きいが、状況や展開に即した判断が出来るようになったと思っている。

 特に、ラス前の手組みと押し引きが変わった。押そうが引こうがオーラスの状況が変わらないなら押したほうがいい。そういう局面がしばしばあることに気付いた。つまり、今までは事態を先延ばしにしていただけだった。

 このことを知って、一気に押す局面が増えた。その分放銃率も上がるが、ラス前のギャンブルで勝てたときのトップ率は大きい。そうやってトップ率を上げた。

 座学を通じて価値観を変えた。それは、数値では現れにくい部分の手組み押し引き判断に繋がった。

 

・確率への対応

 座学を通じて押す局面が増えたということは、明確にめくり合いが増えたということである。つまり、勝つか負けるかの勝負をすることが増えたということであり、勝つこともあるが負けることも多くなる。

 そうなると、めくり合いでいちいち一喜一憂しては疲れるだけである。正しいめくり合いをしているならば、「勝てばトップ負ければラス」という状況を甘んじて受け入れるべきであるし、繰り返せば自分にとって得であると認識して長い目で戦っていかなければならない。そういう気持ちを持てるようになった。

 

 

 数値にこだわりすぎると、目に見えない部分の改善が遅れる。押し引きで悩んでいても、そもそもの手組みが誤ってることもある。そういう場合、改善すべきは押し引きではなく手組みなのに、押し引きを改善してしまおうとする。それは正しい努力ではない。

 つまるところ、麻雀の本質を理解しなければならない。当意即妙な判断力が問われる競技であるから当然ではある。しかしながら、それが一番難しい。将棋で言えば中盤戦のような、分岐の激しい研究しにくい地力が問われる分野は、麻雀で言えば1巡目が始まる前に訪れる。局開始時のテーマ決めや他家の押し引きなどは1巡目の手前で行わなければならないが、それがなかなか難しい。ただ漫然と手組みしていないか。自分の押し引きは理解していても他家の押し引きを理解することを放棄していないか。現状3着目でラス目から立直が来た時に「またか」と思っていないか。しかしそれは当然だろう。浮いているよりも沈んでいるほうが押し寄りの判断をするのだから。不要な仕掛けをしてトップ目2着目の手を止めていないだろうか。不要な仕掛けがラス目を助けることになっていないか。

 そういうことは、数値に現れにくい。数値に現れにくいからこそ、対策が遅れる分野である。そういうところはお知らせ本で学べる。学んだほうがいい。

 

 麻雀は同じ状況が二度と来ないと言われる。その本質は、似たような状況でも判断が異なるということである。同じ聴牌でもラス目なら押すがトップ目なら降りる。同じ手牌でもラス目ならチーテンを取らないがトップ目なら取る。そういう判断力が問われる競技である。そしてそれは、実はそこまで周知されていないのではないだろうか。

 

 まだまだ麻雀界はブルーオーシャンが残っているような気がする。