安定七段

特東安定段位七段を目指すもの

鳳東実戦 01

記事の内容

 ・東1局

・東3局

・まとめ

 

 

自戦記

tenhou.net

 

・東1局

 この局の打ち回しが好きだったので取り上げます。

f:id:Moomsyui:20200902190854j:plain

 前巡の打2pは三色を見るべきでしたが、ここから打6sとして、前巡からの一貫した手順。もう和了る気がほぼないです。最低でも8mに引っ付けてドラ1以上ですが、それでも相当和了れないので、手を崩さない程度に守備力を求めていきます。でもやっぱり2p失敗やなぁ~と思ってました。

f:id:Moomsyui:20200902191048j:plain

 従って、この4sはツモ切ります。間違っても8mは切りません。打8sから打点を伴った手牌にはほぼなりません。2pを残していれば1sトイツ落としからタンヤオ三色が望めましたね。

 南と發は極力残します。出来れば愚形フォローも手中におさめたくありません。

f:id:Moomsyui:20200902191220j:plain

 ここがこの局のポイントでした。打1sとして東を安牌として残しました。2巡前の發の段階でも同じ選択は出来ましたが、まだ1sの縦引きも見ていました。直前に上家が1sを切ったので3m1sの縦引きは諦めました。このあたりの守備寄りな構えのときの愚形フォローの処理は難しいですね。愚形フォローがあるということは余剰牌を抱えられないということなのですが、愚形フォローが必要な時には中途半端な手牌であることが多く、中途半端な手牌の時には安牌が欲しいという、ちょっとしたジレンマがあります。このあたりの付き合い方が上手い人が中盤戦に長けているということだと思いますし、まだまだこの分野は整備されていないように思います。付け入る隙がありそうです。

f:id:Moomsyui:20200902191537j:plain

 2軒立直を受けてツモ赤5s。東を残しておいてよかったです。こういうことがそれなりに起こるので、中途半端な手牌は手組みが難しいです。

 安牌を1枚抱えるかどうかはあらかじめ決めておいて、そこから手組みを考えるのもいいかもしれません。

 

・東3局

 対親での考え方がハマりました。

f:id:Moomsyui:20200902191939j:plain

 ラス目の親がダブ東をポンしました。自身は愚形オンリーの2向聴。悔しいですが降り気味に構えてここから甘い牌を極力降ろさないようにしました。「先切り」もしません。親に1牌も鳴かせないようにします。

 この局、上家も自身も和了りの価値が高いです。ダブ東とは言え、1副露程度では上家はまだ降りないでしょう。対面もよほどのクソ配牌でなければまだ和了りを目指すでしょう。対面が和了る気なら上家に甘い牌を降ろすことにもなるでしょう。

 自身は、この点差のままオーラスになれば下家ラス回避の満ツモ条件から逃れられます。このままの点差でいいんです。だから、下家と心中してもいいんです。

 改めてこの手牌、どれだけ和了れますか?100回やって15回くらいじゃないでしょうか。ましてや今回は下家に仕掛けが入っています。甘い牌を降ろす機会も多そうです。そうなれば100回やって10回くらいじゃないでしょうか。しかも下家への放銃は致命的ですし、下家の和了り自体も最も悪い展開のうちのひとつです。

 だからもう、諦めます。上家の和了りで2着が遠くなっても仕方ありません。ラスにはなりたくないですから。

f:id:Moomsyui:20200902192506j:plain

 前巡までの2p連打は、ドラ筋なので例えば234pとかで鳴いてくれればドラ受けがなくなって打点上昇の機会を奪うことができるのでそうしました。

 さて、ツモ7sでどうするか。間違ってもソウズは打ちません。対面の6sに合わせるように打3sとかもってのほかです。歯を食いしばって8p連打です。もうそれしかありません。

 この巡目にしていい知らせがあります。それは対面も上家も和了る気がマンマンだということです。仮に彼らが降りてしまっては苦しかったですが、結構下家の親を落とそうとしてくれています。もし親に2副露目を入れさせてしまえば彼らに対応させたかもしれませんが、まだ全力で手作りしてくれています。これがいいのです。ありがたいのです。

 1枚目の時点で触れてよかったのですがここで触れておきますと、この局は上家も対面もダマにする可能性があります。親がダブ東をポンしているので安全に局消化をしたいという気持ちは強いはずです。特に対面はそうでしょう。役なし愚形では結構迷いそうです。

 ダマにする可能性がある局かつドラが5pではうっかり事故も起こりえます。今回親に対して早い巡目から降りを選択したのは、その対策も出来るからです。ラス目の親が降りるはずもなく、その状況で上家と対面がどうするのかを注視しつつ、親に甘い牌を降ろさないようにする。自身の手組みを諦めてそこに集中できれば、ダマへの事故も防ぎやすくなります。

f:id:Moomsyui:20200902193315j:plain

 想定通りの上家の和了り。出来れば対面が和了ってくれればオーラス連対勝負出来たのですが、ラス回避のためには仕方ありません。

 捨牌を見てもわかるように、上家は終始プッシュしています。降りている様子が微塵もありません。それは注意して見なければいけませんね。放銃しなくてよかったです。 

 

・まとめ

 和了れない局でどうするか。よく言われる言葉ですが、これの何が難しいって数値には現れにくいんですよね。東1局だって真っ直ぐ手組みする人もいるだろうし、東3局も和了りの価値が高いので全力で手組みする人もいると思います。もしかしたらそっちのほうが正しいかもしれません。最近手牌の調子が良くないので守備気味に構えすぎているフシはありますので。でもそういうのって、ほんの少し放銃率に影響するくらいで、数値から麻雀を改善してきた僕からしてみれば、改善するきっかけが掴みにくいと思います。

 ただ、こういう選択もあるという引き出しは持っていてもいいと思います。何が起こるとマズくて、どのマズいことまでなら許容できるのか。和了れない局で考えなければならないことは、常にマイナスとマイナスの比較です。マイナスとマイナスの比較って日常生活でいつするんですかね。受験時に志望校選ぶときとか、就活で会社選ぶときにマイナスとマイナスの比較ってするんですかね。なくはないでしょうけど、あんまりしなくないですかね。だから難しいと思うんですよね、マイナスとマイナスの比較。

 ともかく、鳳東ではそういうオプションも持っていないと戦えません。牌理も押し引きも読みもまるで出来ない僕は、マイナーな引き出し力で勝負しています。ブルーオーシャンを探して、引き出しを見つけるのが楽しいので、そういう戦い方をしています。